The Takeda Award 理事長メッセージ 受賞者 選考理由書 授賞式 武田賞フォーラム
2001

選考理由書
情報・電子系応用分野

選考理由
業績とその創造性
1. 情報化社会におけるコンピュータの重要性とオペレーティングシステムの役割
2. TRONプロジェクト
3. GNUプロジェクト
4. Linuxプロジェクト
5. 波及効果
6. 結論
7. 参考文献
表1
図1
図2

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業績とその創造性
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5.波及効果

 TRONプロジェクトの基盤となっているITRONは、家電機器や携帯電話、自動車等の組込みシステムに適用されており、日本国内の組込みシステム用OSの30%から40%でITRONが使われている。なかでも家電機器組込みシステム用OSでは80%がTRONを使用するに至っている(1999年)。

 米国にはTRON協会の北米連絡事務所が設けられており、ITRONをベースにしたOSを扱うソフト開発・販売会社が10社ほどある。また、韓国では2000年8月に韓国TRON協会が設立され、韓国語によるホームページを開設して現地企業からの問合わせに対応するなど、TRON普及活動を開始している。

 GNUとLinuxは組合わされ、広範なシステムにおいて使用されており、特に高信頼度を必要とするサーバOSとして25%の出荷本数シェアを占めている。また、最近では、主要コンピュータメーカがLinuxを採用する計画を発表している。さらに、高信頼性を要求される米国陸軍の車両モニタリングシステムにもLinuxが採用された(2000年12月)。

 オープンソフトウェア方式の波及効果として、これ以後の様々なソフトウェア開発に開発方式として採用された。例えばWebサーバソフトウェアの開発においてこの方式が採用され、LinuxなどのUNIX系OSやWindows上で動作するWebサーバソフトウェアApacheが生まれている。Apacheは、1996年にはWebサーバの30%程度を占め、2000年にはさらに増加して60%を占めており、現在最も広く使われているWebサーバソフトウェアである。
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Last modified 2002.4.5 Copyright(c)2002 The Takeda Foundation. The Official Web Site of The Takeda Foundation.