「財団の考え方」
専務理事 赤城三男

吉川先生、今日はお忙しいところを、お時間を頂きましてありがとうございます。今日は、財団の中の勉強会ということでやらせていただきたいと思っております。
財団としては顕彰事業ということを中心に活動してまいりました。財団としての理念をしっかり持つということが非常に大事であると考えております。全地球上の生活者にとっての価値をつくりだしていく業績を顕彰していきたいと考えております。そういう価値は、多くの場合には、物やサービスという形で、商品として提供されます。ここで多くの考察が提供する側に立った考察なのですが、われわれとしては提供される側に立ちたいというようなことを考えています。それをどうやってやるのかというのは、非常に難しいわけですけれども、そのために、理念の体系をきちんと持っていきたい。
もう1つ大事なことは、この理念の体系に縛られてしまうのではなくて、やはり日々動いていく状況をきちんと採り入れていきたい。鈴木先生が賞の美学ということをおっしゃっておりますし、武田はサプライズということを言っています。これはやはりわれわれ職員がいろいろな業績を見たり聞いたりした時に、感動する心が大事だということではないかと思います。そういった感性的なものからまた理論的なところに戻していくということを、一方では心がけております。
同時に、対象となる分野の基幹的な、広い視野でみて大括りにした今の状況を、理念体系の中に組み入れていきたいと考えております。
今日は開発の方法論ということで、非常に幅広い研究範囲をカバーしております産総研のマネージをしておられます吉川先生のお話をお聞きしながら、われわれの理念の勉強させていただければと思います。よろしくお願いいたします。