5.波及効果
   TRONプロジェクトの基盤となっているITRONは、家電機器や携帯電話、自動車等の組込みシステムに適用されており、日本国内の組込みシステム用OSの30%から40%でITRONが使われている。なかでも家電機器組込みシステム用OSでは80%がTRONを使用するに至っている(1999年)。
   米国にはTRON協会の北米連絡事務所が設けられており、ITRONをベースにしたOSを扱うソフト開発・販売会社が10社ほどある。また、韓国では2000年8月に韓国TRON協会が設立され、韓国語によるホームページを開設して現地企業からの問合わせに対応するなど、TRON普及活動を開始している。
   GNUとLinuxは組合わされ、広範なシステムにおいて使用されており、特に高信頼度を必要とするサーバOSとして25%の出荷本数シェアを占めている。また、最近では、主要コンピュータメーカがLinuxを採用する計画を発表している。さらに、高信頼性を要求される米国陸軍の車両モニタリングシステムにもLinuxが採用された(2000年12月)。
   オープンソフトウェア方式の波及効果として、これ以後の様々なソフトウェア開発に開発方式として採用された。例えばWebサーバソフトウェアの開発においてこの方式が採用され、LinuxなどのUNIX系OSやWindows上で動作するWebサーバソフトウェアApacheが生まれている。Apacheは、1996年にはWebサーバの30%程度を占め、2000年にはさらに増加して60%を占めており、現在最も広く使われているWebサーバソフトウェアである。

Copyright(C)2001,The Takeda Foundation.Allrightsreserved.