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4.生活者にとっての価値の創造
Elachiおよび畚野と岡本の功績によって実現した、レーダを用いた衛星からの地球環境観測システムにより、地球環境の現状とその変化を定量的かつ客観的に知ることができるようになった。また、従来の光学センサや受動型マイクロ波センサによるデータとともに、得られる膨大な観測データはインターネット上で全世界の人々がアクセスできる貴重なデータベースとなっている。多くの科学者や技術者が相互に関係している地球環境変化の機構を解明し、地球環境問題の複雑に関連している原因を着実に明らかにしつつある。また、この膨大な観測データは、気候、水循環、生態系などの変動や地球温暖化を予測する地球シミュレータなどに利用され、シミュレーション技術の進歩にも着実に寄与し始めた。科学的知見の蓄積やシミュレーション技術の進歩は地球環境の保全の実現だけではなく、局地的な災害予測や水資源管理、農業、林業、漁業、工業など種々の応用分野で、実生活に具体的に役立つ可能性を持っている。この業績は将来にわたって人類の生存と生活の豊かさを保障する大きな一歩を踏み出した工学的創造性に富むものである。 |
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