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第15回レポート
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第15回リーフレット

第15回 カフェ・デ・サイエンス


講師:  大島泰郎(おおしま・たいろう)
ゲスト講師:  平林久(ひらばやし・ひさし)
日時:  2007年9月8日



異端児のみる生命 「宇宙の生命」 BACK NEXT

I:先生方のお話を聞いていると、あくまでも人間が中心で、人間が考えられる範囲でしか宇宙のことは考えられないのではないかという気がします.それはそれとして、もっと低俗的な話になりますが、UFOの存在については、どのようにお考えでしょうか.

平林:UFOが遠い星から来るのはかなり難しいというお話をします.乗り物としてロケットを使うとします.私たち人類が現在もっているロケットの速さは、秒速で、10 km、20 km、30 kmとありますが、たとえば、秒速30 kmという速さのロケットだとしましょう.一番近い星でも、光で走って4年くらいかかります.秒速30 kmのロケットで行こうとすると、光の速度は秒速30万kmですから、4万年かかります.これは大変なことですね.

他にも難しさがあります.人類のもっているロケットというのは、モノを後ろに投げ出すことによって前へ進みます.作用反作用の法則ですね.作用反作用の法則というのは、重心は一定のところにあるというのと同じ考え方なのです.このように、ロケットというのは非常に効率の悪いシステムです.だから、ロケットではうまくいかない.

ロケットがどんどん加速し続けると、相対論効果がでてきて、まもなく私たちの身体自体がどんどん重くなっていって、加速できないということが起こってきます.その結果として、光より速く行かないのですが、もし万一どんどん加速することができれば、数年で銀河系の中心まで行くことはできます.しかし、そういうことは非常に難しい.要するに、私が言いたかったことは、星から星への移行というのは、非常に難しいということだけです.だから、UFOさんは・・・(笑).

大島:UFOが他所の星の何かであるという保証は、恐らく何方にもないと思いますが、私が地球外文明ではないと思う理由は、それだけ苦労してやって来たのに、確実に他所の星から来たという証拠を示すこともせずにどこかへ行ってしまうはずがないと思うからです.「2001年宇宙の旅」では、天文学者の協力があったのかもしれませんが、アーサー・クラーク(Arthur C. Clarke, 1917〜)が、そうした答を出しています.要するに、宇宙人は、宇宙人以外が作れないというものを残していけばいいわけですね.UFOだけでなく、地上の大きな絵だとか、南方の島の巨大な石像だとか、どこかの岩に描かれたヘルメットを冠った人の絵などは、宇宙人が描いたのかどうか見分けがつきません.そういう首を捻るようなものを残していくはずがない.「2001年宇宙の旅」では、宇宙人がサルの時代に来たことになっているから、やがて進化してサイエンスができる時代になったときには、他所の星からの人工物と疑う余地なく分かる物体を残していきます.

我々は自分たちの文明の起源や歴史を知りたくてサル学というのをやっています.この場合には、サルが観察されていることに気付かないように、研究者は非常に注意深くサルを観察しています.UFOをもつ文明が進んだものであれば、それをやる可能性はありますね.自分たちの歴史を知りたくて我々を観察するわけです.サル学のほうでは、特定の1匹に発信器を付けるために、1匹だけ捕まえてくることがありますが、そのときでも、その1匹以外には気付かれないようにやるはずです.「UFOの中に引き込まれた」などという話は、「そういうことをされたことが分かるような状態で戻ってくるはずがない」という気がします.

I:UFOのような技術が現実にあるのかどうかということをお聞きしたかったのですが.

大島:研究者の側からすれば、我々の知らないことがあるというのは、こんな素晴らしいことはないわけですが、今までのUFOに関して提供されている材料からすると、強いて、それを正面から採り上げる程の価値があるものはないということを言いたかっただけです.

三井:ちょっと視点を変えて、「地球生命は孤独なのか」というところにお話をもっていってはどうでしょうか.

N:かなり古手で来ています.もともとは材料屋で、最近はバイオのほうの研究をやっています.実は、小学校5年生のときにUFOを見ております.金物がピカッと光ったのがはっきり記憶に残っています.

今、気になっているのは、大きさにしても時間にしても、余りにもそのスケールが違うために認識できない文明とか生命体がいるのではないかということです.今の時点でもコンタクトはできていないのですから、孤独なのかなという気はしますが、これも時間軸がずれているとどうなるかなというのがあります.

三井:孤立しているかどうかというのは後半にして、他にUFOを見たことがある方はいらっしゃいますか.

大島:私は見たことがありますよ.

M:私も何回か見たことがあります(笑).それが宇宙人かどうか分かりませんけれど、今、疑問に思っていたのは、「私たちはここに居ますよ」ということを周りに発信していると、それを知った宇宙人が気性の荒いタイプだったりすると、地球を攻めてくるかもしれません.そういうときは、どのように対抗すればいいのでしょうか(笑).アインシュタインが、頭が良過ぎて、核爆弾の元になるような式を作って非難されたように、「信号など出さなければよかったのに」ということにならないのでしょうか(笑).

平林:今、電波天文学の世界では、多くの国が参加して、2012年の完成予定で、かなり大きな電波望遠鏡づくりが始まっています.SKA(Square Kilometer Array)といいます.SKAができると、マイクロ波の電波、たとえばテレビのUHFのような強い電波は、数十光年という距離だと、受けることができます.同じような文明をもっている宇宙人が、同じような望遠鏡を作っていれば、そういう電波を受信することができますから、宇宙人が攻めてくることを心配するのであれば、意図的に出すものだけでなく、他の電波についても気を付けないといけないのです.また、彼らが僕らを滅ぼしに来るような文明だとすると、技術レベルは非常に進んでいるので、その気になれば、もう、どうしようもないと思います(笑).それでも、ただ座して死を待つのは嫌だという方は、私と一緒に剣道の稽古をしましょう.(笑)

三井:ここで、10分程度のお休みをとります.宇宙人やETの話は後半にしたいと思いますが、実は、「異端児」ということに対してコメントされている方が何人もいらっしゃいますので、最後にそれを話題にしようかと思っています.

(休憩)

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Last modified 2007.11.20 Copyright(c)2005 The Takeda Foundation. The Official Web Site of The Takeda Foundation.